2021/7/23
7月18日(日)地域公共交通課題について「山本かなえ参議院議員」との意見交換
従前の田原本町には奈良交通によるバス路線が数本ありましたが、数年前には全ての路線が廃止され、住民の移動手段の確保が大きな課題となっていました。
私が就任前の田原本には乗合タクシー「ももたろう号」が運行されていましたが、利用時間、利用本数、予約方法の制限から多様化する住民ニーズに対応できず町会議員の皆様や住民アンケートからも拡充を求める声が相次いでいました。そこで、田原本町では平成30年度から町独自にタクシー初乗り運賃を補助する「タワラモトンタクシー事業」を開始へと踏み切りました。
タワラモトンタクシー初乗り補助は、70歳以上の高齢者、就学前児童、妊産婦、障がい者、免許返納者、移動が困難な方々等に対してタクシー初乗り券を発行し、利用者数も従前のデマンドタクシーに比べて大幅に増え、多くの住民の皆様に喜ばれています。そして田原本町内のタクシー会社の利用が増えたことで、車両の入替や新規雇用を増やすなど地域経済活性化にも良い影響が出始めています。
地域が抱える課題を地域が考え対応していることを国政にも伝える機会があり、昨年5月には国会で取り上げていただくこともできました。またさらに翌月6月には赤羽国土交通大臣に直接意見交換する機会をいただくことができました。そして、この度乗合タクシーの代替手段として地域公共交通計画に位置付けられたタクシー運行であることなど要件を満たした場合、国の支援制度の対象となる「タクシー運賃低廉化事業」が開始されることとなりました。
この結果もあり、本町においては地域交通計画の見直しを現在進めており、「タクシー運賃低廉化事業」を含めた新たな公共交通のあり方を検討していることから、申請に向けた準備を進めているところであります。
そして、「タワラモトンタクシー」は2年前からのコロナ禍においても利用者は大幅に減ることなく、ワクチン接種においてもワクチン集団接種会場への移動手段「タワラモトン・ワクチンタクシー」としても活用しています。
また「マタニティタクシー」もこの制度がきっかけでスタートした事例として紹介させていただきました。妊婦さんについてはタクシー会社の営業時間外でも対応することとなり、母子手帳を交付する段階でタクシー券を交付していています。妊娠初期は車の運転はできても、後半は危険性の高まることから、制度が広まっており、利用率は年々増加していて、子育て世代にも広まっています。
地方都市にとって、移動手段の確保は極めて重要な課題です。
地域には地域の実情があり、国の制度が一律に当てはまることが困難な場合もありますが、今回のタワラモトンタクシーのように地域の声をしっかりと私たち地方自治体が発信することが、国の制度も拡充していただくきっかけとなったと考えています。
お忙しい中、田原本町に来町いただいた山本かなえ参議院議員の熱意ある行動に感謝申し上げると共に、関係者の皆様のご協力に御礼申し上げます。