2021/8/17
採用と人材活用の取り組み
私が田原本町長に就任して約6年目に入っています。就任してまず取り組んだのが職場の環境改善と採用方法の改革。その取り組みを簡単にまとめてみました。
実は、数年前まで田原本町の採用試験への応募者はそれほど多くありませんでした。募集要項を役場内に掲示、自治会の掲示板への掲示、ホームページにアップするだけで、町外へはほとんどPRしていなかった状態であったため、限られた応募者の中から必要な採用人数を確保していました。町役場の職員は、町内在住者を優先採用すべきという古き良き固定概念が未だに残っていて、先日の議会でも一般質問に挙がっていました。
しかし、これからの激変の時代、行政DX、コロナへの対応、農業の高収益化、移住定住問題、税収構造の変革への挑戦と地方自治体であっても未知なる時代へチャレンジが必要と考え、
①職場の環境改善
②採用方法のブラッシュアップ
③流動性のある人事異動と人材活用
の取り組みをスタートしました。
①職場の環境改善
田原本町の職員の内、女性の占める割合は奈良県でトップクラス。田原本町役場は圧倒的に女性の多い職場です。仕事と家庭の両立をされている職員も多いことから、週2回のノー残業デーを開始。館内放送を繰り返すことで上司も早く帰ることとなり、職員も帰りやすい雰囲気の醸成をしました。私も17時30分には帰庁しています。また土日は宿直当番制で、若手職員が交代で勤務していましたが、外部委託に切り替えを実施、宿直当番制を止めました。これはかなり好評です。
②採用方法のブラッシュアップ
筆記試験は、公務員試験ではなく民間事業者も活用するSPI試験の導入。受験機会の最大化を目的として、指定の日時のみしか受験できないのでなく、期間中いつでも受験できる全国で開催される試験センターの活用。新卒に限った年齢でななく、社会人経験者も対象に含めた採用年齢の拡大。受験対象者を広げたこともあり、ここ数年応募者数は以前に比べ大幅増加し、多種多様な人材が受験してくれています。
③流動性の持った人事異動と人材活用
役場に入庁して退職まで長ければ40年、同じ集団で仕事をすることになり、限られた集団の中でできる独特の文化・風習・習慣が、時代や世間から取り残されるかもしれないのが地方の役場の現状。年功序列、経験年数を踏まえた昇進や人事異動を見直し、若くても熱意がある人材の抜擢登用を実現。課題が出てきた部署へは適時人事異動の実施。
また実務研修生として奈良県への出向、奈良県からの人材の受け入れ、熊本県益城町への派遣、全国市町村国際文化研修所(JIAM)への出向、総務省からの人材受け入れ、地方活性化企業人(企業人材派遣制度)を活用したJTB、(株)タニタヘルスリンクからの人材受け入れなど、他業種で活躍された人材と共に時間を過ごすことで受ける刺激が、既存の組織にも変化を起こし、前例主義で仕事しがちだった地方自治体・田原本町が少しづつ変わりつつあります。
試行錯誤の中、様々な取り組みに挑戦している田原本です。
一緒に新しい田原本の未来を創る人材を募集しています。
ぜひお待ちしています。